気になるところだけ読めます
「ちゃんとやってるのに、体重が全然動かんのです」
40代の女性が、3回目のセッションで言った言葉です。
声が少し震えてました。食事もカロミルで記録して、間食も控えて、週1でトレーニングに来てくれている。本人としては「やることはやっている」という自覚がある。なのに体重計の数字が1kgも変わらない。
「もう何やってもダメなんじゃないかと思って」
この言葉、月に3〜4回は聞きます。
でも僕はそのとき、ちょっとだけ嬉しかったんですよね。InBodyの体組成データを並べて見ていたから。
「体重は変わってないんですけど、体脂肪率、見てもらっていいですか」
彼女のデータはこうでした。
体重:46.7kgのまま。1ヶ月前とほぼ同じ。
でも体脂肪率は2%下がっていた。骨格筋量が0.8kg増えていた。
体重が変わっていないのに、体の中身は確実に変わっている。脂肪が減って、その分だけ筋肉が増えた。体重計の「数字」は同じでも、鏡に映る体は違うものになり始めていたんです。
この記事でわかること
- 体重が変わらなくても体は変わっている場合がある
- 体組成計の数字が日によって変動する仕組み
- 正しく測るための条件と、数字の読み方
- 体重以外で「変わった」を実感する方法
体重計が見せてくれないもの
体重って、ものすごくわかりやすい数字です。増えたか減ったかが一目でわかる。
だから毎日乗りたくなるし、0.5kg増えただけで「昨日食べすぎたかな」と気になる。
ただ、体重計には致命的な弱点がある。
体重は「体全体の重さ」しか教えてくれない。筋肉が増えたのか、脂肪が減ったのか、水分が変動しただけなのか。そこは一切教えてくれません。
さっきの40代女性の例でいうと、体重46.7kgのまま。これだけ見ると「変わっていない」ですよね。
でも中身を開けると、脂肪が1kg減って、筋肉が1kg増えていた。プラスマイナスで体重は同じ。でも体は確実に変わっている。
これが体重計に振り回される人の落とし穴です。
体重が「変わらない」のは、「何も起きていない」のとは違う。むしろ「脂肪が減って筋肉が増えている」なら、それは一番理想的な変化なんですよね。
体重が動かない≠何も起きていない。脂肪と筋肉が入れ替わっているなら、それは理想的な変化。
体組成計の数字が「毎日違う」理由
「先生、昨日と今日で体脂肪率が3%も違うんですけど」
これも月に2〜3回は聞かれます。
体組成計って、実は電気を体に流して、その抵抗値から体脂肪率を「推定」してるだけなんですよね。直接脂肪の量を測っているわけじゃない。
だから、こういうことが起きます。
朝、起きたばかりで水分が少ない状態で測ると、電気が流れにくい。体脂肪率が高く出る。
逆に、お風呂上がりで体が温まっていると、電気が流れやすくなって体脂肪率が低く出る。
同じ体なのに、測るタイミングだけで2〜3%は変動する。1日の中で体脂肪が2〜3%も増減するなんて、現実にはあり得ません。
さらに女性の場合、生理周期でも変わります。生理前は体が水分を溜め込む。体重も1〜2kg増えるし、体脂肪率も高く出る。
これは体脂肪が増えたわけじゃない。流通センターの中で、インテリアデザイナー(エストロゲン)のシフトが変わって、配管の中の水量が変わっただけです。
「じゃあ何を信じればいいの?」ってなりますよね。
答えはシンプルです。「同じ条件で測った数値の、2〜4週間の推移」を見る。
体組成計で信用できる数字の見方
- 毎朝、起床後に排尿を済ませてから測る(同じ条件を揃える)
- 1日の数字に一喜一憂しない。2〜4週間の推移で判断する
- 生理前後は1〜2kgの体重変動は当たり前。脂肪は増えていない
- 体脂肪率の2〜3%の変動は体組成計の測定誤差の範囲
実際にうちで起きた「体重は同じ、でも服が入った」話
先日、40代の女性がセッションの前にこう言いました。
👤40代女性・デスクワーク
「先生、体重は全然変わっとらんのんですけど、昔のスカートが入るようになったんよ」
体重は46kg台でほぼ動いていない。でもウエストが2cm細くなっていた。
これは、筋肉のほうが脂肪より密度が高いから起きることなんですよね。同じ1kgでも、脂肪の1kgと筋肉の1kgでは体積が違う。筋肉のほうがコンパクト。
だから脂肪が減って筋肉が増えると、体重は変わらなくても体のサイズは小さくなる。
「体重計に乗るのが怖い」と言っていた彼女が、スカートが入った日には写真を送ってくれました。体重計の数字じゃなくて、鏡の前の自分が変わったことのほうが嬉しかったんだと思います。
体重計より鏡のほうが、変化を正確に教えてくれることがある。
「食べてないのに痩せない」の正体
もうひとつ、これもよく聞く言葉です。
「そんなに食べてないんですけど、痩せないんです」
500名以上を見てきて一番多いパターンは、実は「食べていないつもりで食べている」ケースです。
自分が思っているより摂取カロリーが多い。あるいは、自分の消費カロリーを多く見積もっている。この2つが重なると、本人は「頑張ってるのに変わらない」と感じます。
うちではカロミルというアプリで食事を記録してもらっています。
記録をつけ始めると、だいたいの人が「え、これでこんなにカロリーあるの?」と驚くんですよね。
サラダにかけてるドレッシング。コーヒーに入れてるフレッシュ。無意識に食べてる職場のお菓子。1つ1つは大したことないけど、積み重なると1日200〜300kcalくらい余分に摂っていることは珍しくありません。
これは努力不足じゃない。計測のズレです。
だから僕は「食べてないのに痩せない」と言う人を否定しません。本人は本当にそう感じている。ただ、カロミルで数字を可視化すると「あ、ここか」と自分で気づくことがほとんどなんです。
「食べてないのに痩せない」は、意志の弱さじゃなくて計測のズレ。数字を見える化すれば、自分で気づける。
「何をやっても痩せない」と感じている方はこちらも読んでみてください。
何をやっても痩せない原因
ダイエット失敗を繰り返す人の共通点
記事を読む →体重じゃなくて、何を見ればいいのか
うちのお客様に「体重計に乗るの、週1にしてください」と伝えることがあります。
毎日乗ると、水分変動に振り回されるから。
その代わり、こういうものを見てもらいます。
1つ目。体組成計のデータのうち、「骨格筋量」と「体脂肪率」の2週間推移。体重は無視してよくて、この2つが正しい方向に動いていれば体は変わっています。
2つ目。服のフィット感。特にウエストまわり。体重が同じでも、ベルトの穴が1つ変わったらそれは確実に変化してます。
3つ目。日常の体感。「階段で息切れしなくなった」「朝起きるのが楽になった」「肩こりが減った」。
うちのお客様で一番多い「最初の変化」は、体重じゃなくて体の不具合が楽になることなんですよね。
最初の1ヶ月で肩こりや腰痛に変化を感じる人が多い。実際に体が変わる(見た目でわかるレベル)のは2〜4ヶ月。周囲に「痩せたね」と言われるのは、体重が5kgくらい落ちたタイミング。
この順番を知っておくと、「1ヶ月やったのに体重が変わらない」と焦ることが減ります。体重が動く前に、体は別のところから変わり始めているから。
体重の代わりに見てほしい3つの変化
- 骨格筋量と体脂肪率の2週間推移(体重は無視)
- ベルトの穴やスカートのウエスト(服のフィット感)
- 階段の息切れ・肩こり・朝の目覚め(日常の体感)
数字は「方角を確認するためのもの」
最後に、数字との付き合い方について。
体重も体脂肪率も骨格筋量も、全部「方角の確認」だと思ってもらえたらちょうどいいです。
山登りに例えるなら、コンパスみたいなもの。北を向いているか、南に逸れていないか。それを時々チェックする。
でもコンパスの針が少しブレたからって、「山を登るのをやめよう」とはならないですよね。風が吹いたら針は揺れます。大事なのは、全体の方向が合っているかどうか。
体重計の数字も同じです。昨日より0.5kg増えた。それは風が吹いただけかもしれない。2週間の推移を見て、方向が合っていれば大丈夫です。
数字に一喜一憂して、食事を極端に減らしたり、トレーニングをやめたりするのが一番もったいない。
体重が1ヶ月変わらなくても、体は少しずつ入れ替わっている。筋肉が増えて、脂肪が減って、体のサイズは変わっている。
その変化を見逃さないために、体重計だけじゃなくて、服と鏡と体感を信じてみてください。
体重計の数字は「方角の確認」。針が少しブレても、全体の方向が合っていれば大丈夫。
食事も運動もちゃんとやっているのに体重が動かない。
そういう人は、もしかしたら体重計の「見方」がずれているだけかもしれません。
何が変わっていて、何がまだ変わっていないのか。一度、体組成データと一緒に確認してみませんか。
「停滞期に入ったかも」と感じている方はこちらも参考にしてみてください。
ダイエット停滞期を抜け出す方法
焦って食事を減らす前に確認すること
記事を読む →
この記事を書いた人
岡田 雄磨
FIREFITNESSトレーナー。お客様一人ひとりに寄り添った指導で、理想の体づくりをサポートします。
プロフィールを見る →
